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人間ドツクのあゆみ
塩沢 総一
1,2
,
小野田 敏郎
3,4
1東京警察病院
2日本病院協会
3東京警察病院内科
4診療管理部
pp.543-546
発行日 1959年7月1日
Published Date 1959/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201539
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中年をすぎた社会人あるいは主婦を,しばらくしずかに病院に収容して,からだ全般に亘つて精密な臨牀的検査をおこない,一見健康そうに見える諸系統,諸臓器の中に損耗の個所を見いだして其後の生活指導をおこなう人間ドツクの仕事は,これを健康保険の方面でとりあげられる機運となつて,病院の臨牀予防医学活動に重要な方向を与え俄かにトツプライトを浴びつつある。
長い航海を終えて帰つた船がドツクに入り次の航海の安全を期するにも似て,これにいみじくも人間ドツクの名称を与えたのは前国立東京第一病院長であられた坂口先生である。坂口先生が東大在職のころ当時の坂口内科に俵孫一氏その他の名士が冒頭に述べたような趣旨の精密検査をうけた際素人にもその趣意が解かるように,たわむれにこれは人間のドツクのようなものだといわれたことがある。これが人間ドツクの名称の濫觴といわれている。
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