読者の声
准看護婦に途を開け
三原 士郎
1
1社会保険宮崎江南病院
pp.59-61
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201180
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病院経営は看護婦の訓練以外の何ものでもないと云つた人がある。もちろんこの言葉は文字通りでは全面的な真理とは云えない。しかし少しく病院の運営や管理に体験のある人ならば,之をただちに実感として首肯できるかと思う。事実われわれ病院管理に掌わる者の常に頭を悩ますものは看護婦の質と量との問題である,施設その他近代的総合病院としての資質が常に時代の先端をゆき,経営や運営について甚しい困難もなく,且つ自ら思うままになし得る看護婦の養成施設をもつ病院などでは,或はこのような悩みはみられないかもしれないが,われわれのような中小病院で施設や予算上の制約のため,国家が要求する程度の看護婦養成施設即ちいわゆる高等看護学院をもち得ないところでは看護婦の補充の方途は常に苦悶の種であるというも過言ではない。
医療内容の向上を期待する施策の一環として現在の看護婦の免許に関連する新しい制度ができたことそれ自体はもとより当を得たことであると云わねばならない。これによつて高等学校卒業程度の一般教養を身につけ,昔日に比べればはるかに高度の技術内容をもつた新制度による看護婦が続々とできて来つつあることも亦喜ばしいことである。しかし問題はその量にある。
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