診療設備基準・1
臨床病理檢査室の機能と設備
小酒井 望
1
1国立東京第一病院研究検査科
pp.52-63
発行日 1956年8月1日
Published Date 1956/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201134
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昭和30年度厚生科学研究費による「病院の医療能力による分類とその設備の基準に関する研究」の一部として臨床病理検査室(臨床病理科)の施設及び設備の基準化の研究が取上げられ,A'級(500床),A級(300床),B級(200〜100床),C級(100床以下)の病院各々4,7,7,2施設,計20の実態調査の結果が得られた。臨床病理検査室の広さ,器械器具類の品目,数量については,その基準案が日本臨床病理学会幹事会に於て作製されている。勿論この幹事会案は,実態調査を行つての結論ではなく,病院の検査室を担当する同会幹事達が,日本の現状では最低この程度を必要とするであろうと云う処を経験から算出したものである。そこで私は上記20病院の実態調査の結果が,この日本臨床病理学会幹事会案と如何なる点で一致し,如何なる点で相違しているかを検討し,この幹事会案が現実から著しく離れたものであれば,それを修正しようと考えた。ところでこの幹事会案はA級(201床以上),B級(200〜101床),C級(100〜51床),D級(50床以下)に分れA'級はない。A.B.C級の分類は今回の調査のそれと大体一致している。つまり幹事会案ではA'級がないのでA'級の基準を作ることも,私の一つの目的である。
実態調査の結果を眺めながらそれに幹事会案を対比させつつ批判をして行くこととする。
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