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病院の原価管理—第5回 内科および外科病棟の原価計算
黒田 幸男
1
1済生会中央病院
pp.414-415
発行日 1979年5月1日
Published Date 1979/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206858
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採算性 内科病棟と外科病棟の損益分岐点図は図27のとおりである.内科病棟の収支は全期間を通してよく,その医業収益利益率は48年16.2%,50年23.3%,52年9.7%になっている.同期間における外科病棟は48年△18.4%,50年5.2%,52年1.0%になり,内科病棟に比べ採算性が悪い.これを患者1人1日当たり収益対原価で示したものが図28である.48年を100とした場合の52年における収支の伸びは,内科病棟の原価が203.9%であるのに対し収益の伸びは189.3%となり,外科病棟では原価の伸びが179.7%に対し収益は214.9%になっている.このように両病棟における原価と収益の伸び方の差異が原価計算結果に大きな影響を与えている.
原価内科病棟の原価構造(図29)の内円は,同部門における総原価の費目要素別内訳である.そこでは給与費と材料費とに若干の変化が認められるが,外円の直接部門,中央診療部門,補助部門別に見た原価構成比には大きな変化はない.また,外科病棟の原価構造図(図30)は外円の中央診療部門原価の占める割合が内科病棟より若干高い程度で内科病棟のそれと大差はない.これを費目別に原価伸び率をみると表14のとおりである.内科病棟原価の高い伸び率はほとんどの費目にわたっている.また,外科病棟原価の低い伸び率も全費目に及んでいるが,両者に共通の傾向は費目別の伸び方がほぼ同程度になっていることである.
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