座談会
新医療費体系を語る
今井 一男
1
,
尾村 偉久
2
,
神崎 三益
3
,
菊地 愼一郞
4
,
小西 宏
5
,
曾田 長宗
6
,
橋本 寬敏
7
,
橋本 寿三男
8
,
守屋 博
9
1非現業共済組合
2厚生省医務局国立病院課
3武蔵野赤十字病院
4菊地病院
5病院管理研修所
6厚生省医務局
7聖ルカ国際病院
8厚生省医務局医務課
9国立東京第一病院管理部
pp.5-16
発行日 1956年3月1日
Published Date 1956/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201074
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新体系の動機
A それじや私司会をやらせて頂きます。今日の話は医療にとつて非常に重大問題なので,話が何処に飛ぶか解りませんが,成るべく病院というものを中心にお話合を願いたいと思います。先ず初めに新医療費体系というものが巷間健康保険の赤字を解消する為は,こういうことを考えついたのだ,という風に理解されておるようですが,私はどうもそうでなくて,深い所にあるのだという風に考えておりますので,これを考えついたいきさつについて先ずお話願つたらどうか,と思います。
B 折角皆様お揃いでいろいろ御意見もありましようから,私が余りつまらんことを申上げる必要もないのですが,今でもよく論じられておるのは今度の新医療費体系というものが4月に迫つて来ておる医薬分業とどういう関係になつておるのだ,ということであります。これは例の進駐軍がまだおります頃に,医薬分業という体制があるべき医療の姿ではないかという考え方から勧告が出て,これを審議するのに御承知の"臨時医薬制度調査会"と"臨時診療報酬調査会"と二つの委員会が出来て,その際後者に於て新しい医療報酬の姿を一つ考案して見ようじやないか,ということになつたのであります。このように医薬分業と新しい診療報酬の体系というものは,最近のいきさつから言うと,非常に深い関連をもつてスタートした。処が純理論的に考えれば医療費体系の姿というものは,医薬分業と離れて充分検討されるべきものではないか,とも考えられるのです。
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