新春放談・下
看護管理・医療保障・公衆衛生
吉田 幸雄
1
,
曾田 長宗
2
,
橋本 寿三男
3
,
尾崎 嘉篤
4
,
守屋 博
5
,
橋本 寛敏
6
,
塩沢 総一
7
,
尾村 偉久
8
1厚生省病院管理研修所
2公衆衛生院
3厚生省国立療養所課
4厚生省国立病院課
5国立東京第一病院管理部
6聖ルカ国際病院
7東京警察病院
8厚生省公衆衛生局
pp.110-118
発行日 1959年2月1日
Published Date 1959/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201470
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——巨大病棟出現は何を意味するか——
吉田 それでは,外来については問題が残りましたが,こんど看護の問題を取り上げたいと思いますが,まず最初に,ナーシングユニツトが非常に最近大きくなり,50床,60床,70床,80床と,最近では90床という巨大ユニツトが現われて来たことですが,これでいいのか,一体ナースはどこの階層で責任を持とうとしているのかわからない。これは逆行した姿が出てきている姿を表わすのではないか。ナース自体の自覚が足りないのか,あるいは病院の院長,経営者が病院にそういう大ユニツトを輸入しているのか。採算の問題と三交代の人員割ふりとが関係しているのでしようが,こういう80床,90床のナーシングユニツトは一体どういう意味なのか,まずこの問題ですが,橋本先生,おききになつていらつしやるんでしよ。
橋本(寛) 看護業務の内容というものはなんだという問題に帰するんですよ。看護婦に何をさせるかということについて,はつきりしたお考えのない方があるんです。それで従来,日本では看護婦というものは,手術場においては実に有能な看護婦として働いたけれども,病室においては,ただポリスだけやつている。監督だけしてやつている,こらこらと,家から人がきたりしていた時には,どんなに単位を多くたつてできますよ,交番のように,パトロールして,こらこらとやつていればいいので,そうすればいくら患者が多くてもいい。
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