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病院管理上無駄や赤字をなくするには
大門 繁雄
1
1非現業共済組合大津橋病院
pp.49-52
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201069
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病院の経営は,人的,物的に無駄があつてはならないし,又どこ迄も共同体で各部分が,一致してこそ,その業蹟があげられる事は,論を俟たない所であります。処でこの無駄である,ないの線をどう求めるかと云う事は,非常にむつかしい問題だと思います。
病院は,その組織,機構,地域,規模の大小等が多種多様であり,その上患者の有無にかかわらず,あらゆる設備を要し甲の病院で無駄であつても,乙の病院では無駄でない等の場合があり,これを一律に論ずる訳にも行かないと思います。然し乍ら病院を管理する以上,その羅針盤のない経営は無軌道で危険であります。依つてどんな形態の病院でも一応その標準となる目標が必要となつてまいります。それではその無駄でない目標をどう求めるかと云う事になりますが,先ず自己病院自体の力,とでも申しましようか,活動能力とも申しましようか,その実体数を把握して収容患者数や,収支予定額を検討し,その線から出発して無駄でない方向へ進まなくては,ならないと思います。私はこの方向の求め方を狭義と広義とに分けて考えて見たいと存じます。狭い意義の無駄は,電灯,水道,瓦斯の節約とか,有利に物を調弁するとか,材料を再生して利用するとか,所謂消費節約方面の無駄で,枚挙に遑がないと思います。
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