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病院外來部組織とサービスの改善(1)
金子 敏輔
1
1神戸医大
pp.23-29
発行日 1955年10月1日
Published Date 1955/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201014
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まえがき
病院のサービスの基準とか,また最低的サービスはどうあるべきかという問題に現在病院管理経営の立場から相当関心が寄せられている。この問題は国民の医療水準向上のため重視され医療の標準化と国際標準の接近をめざして必然とり上げなければならないから,いままで不明瞭であつたこの分野に注目が払われ第5回病院学会に於ても現代日本の病院サービスの基準といつた研究宿題が報告された所以である。これは社会保険制度の今日入院料とか医療費の計算にも誠に意義が深いのである。serviceという言葉は意味が深くて訳せない広い味と含みをもつているので単に病院医療というより病院といつた複雑な経営の場所には,そのままサービスといつた方が適切でそれほど病院のサービスは巾の広いものである。
さて病院のサービスを大きく分類すれば,入院部門と外来部門である。従つて外来組織とサービスは病院管理の重要な部門である。従来入院部門に関しては相当関心が持たれたようであるが,外来部門は病院の取入源の大なるものであるにかかわらず,必ずしも注目されていたとはいえない。その在り方はなんだか一つの型にはまつてこれでよいといつた具合で長年に亘りあまり,進歩を見せず,ただマンネリズムが続いているようである。一方現代の綜合病院は最新の医療設備と技術を応用して綜合的診断治療へとサービス面の改善をはかる傾向を示している。
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