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研修所だより
岩佐
pp.65
発行日 1955年6月1日
Published Date 1955/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200973
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昭和30年度春の短期講習会は4月20日(水)から第1回が開始されました。これは研修会としては第51回目に当り事務長特に公立病院の事務長を主体として計画されました。受講者は全国各地からの42名で一般病院の他に精神病院,結核療養所,産科病院等もありました。講義内容は殆んど従前通りでありましたが「社会保険」の講師として始めて厚生省保険局の館林医療課長にお願いしました。以前はやはり同じ医療課長であつた五十嵐先生にお願いしており,保険医療の本質,その適正診療と言われている水準の意義等について詳しく正確な話を伺つていました。保険の問題はその点数や単価の問題を通じて直接病院の收入面に大きく響きますので,各受講者共熱心に傾聴し又質疑討論も大変盛んでありました。その後五十嵐課長が他課に転じてからは暫くの間医療課の課員にこの講義を依頼していたのでありますが,今回始めて館林新課長の講義を聞くことになつた訳です。五十嵐前課長の話も大変面白く有益であつたのですが,それは保険局の責任者の立場から保険医療の重要な担当者である病院管理者に自分達の立場を説明し理解と協力とをもとめると言つた種類のものでありました。所で館林課長の話は新しい観点から現行の医療保険の制度を眺めて色々の問題点をえぐり出しそれに対して忌憚ない批判を加える底のものでありましたので,又別の意味で大変興味深いものでありました。
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