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研修所だより
岩佐
pp.77
発行日 1955年5月1日
Published Date 1955/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200962
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前回書きました様に建築技師を対象とした第50回病院管理研修会が3月9日をもつて終了しました。これは病院建築の講習会としては2回目のものです。講義の構成としては前半が病院管理学一般であり後半が建築の技術的問題であつたことは前回と同様です。ただ前回は各講師の担当区分が明瞭でなく,その為に概論的な部分が重複したうらみがありましたが,今回は部門別にしてその担当を明白にしました。小川所員は前回と同様医療法や建築基準法との関連において病院建築の基準を話しました。東大助教授の吉武氏は守屋所員の講義した病院管理総論の新しい病院のあり方を具体化した病院建築の総論的話をしました。即ち病棟部と診療補助部及び外来部をはつきり分つこと,病棟は看護単位にして積み重ねること,木造よりも本建築である方が有利であること等々を主張しました。小林建築事務所長として病院建築実務に多くの経験を持つ小林氏は診療部即ち外来部と中央診療補助機関のそれぞれについて細く数字をあげて講義しました。住宅金融公庫の田口氏は病棟部における各看護単位の構成大きさ,配列特に病室の細い点について説明しました。自ら設計した療養所の実例についても詳しく述べました。三木組の大沢氏は岩佐所員と石原所員が講義したサービスに対して,その部即ち厨房,洗濯場を主としての建築とその設備を話しました。桜井建築設備研究室の桜井氏は病院設備としてボイラー,消毒,上下水,焼却炉,空気調節等に関して詳しい説明をしました。
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