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研修所だより
岩佐
pp.77
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200950
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第12期研修科1ヵ月のコースは2月24日その全講義を終えて解散しました。慣例に従つて終る前に感想録の提出をもとめましたが,その内から1〜2意見をひろつてみましよう。
外部講師の内にはそれぞれ専門の知識は豊富であるのに病院の実情に精通していない為に,せつかくの講義が充分利用し得るものになつていないと言う不満がいくらか有りました。これは病院が甚だ複雑なもので特殊性を持つている為でもありますが,病院内部に色々な専門家が居ない為でもあり,我々研修所としても病院を十分に知つた事務や建築や色彩や経理の専門家を養成することに努力はしているのですが,なかなか十分の成果を挙げられないで困つている点です。しかし東大の吉武助教授の如きは自ら病院内の色々な調査もやりまた実際の病院建築にも関係されていて実に細部に亘るまで病院内部を知りつくし,その講義も申し分ありません。従つて時間をかけて行けば各方面で次第に同じような専門家が出て来るだろうと期待しているわけです。一方また病院内部で事務や経理の実務を担当して人々の側からもそれ等を広い地盤で専門的に勉強する方が出て来ることを望むものです。次には講義科目ば総花式であることをやめて重点的にし,常識的概論的なところをはぶいて実質的具体的なものを増加して欲しいと言う意見がありました。御尤もなことでして成可くそうした方向に変えてゆきたいと思います。
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