--------------------
Dr. Shimanouchig's Recordtape
島内 武文
pp.67-70
発行日 1955年1月1日
Published Date 1955/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200918
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
東西の谷間
日本は今東西の谷間に入つている。何れがよいか何れがわるいというのではなく,地理的歴史的の諸要因の関連に由来するのであつて,簡単にはいきそうもない。朝鮮の38度線や,仏印の17度線は,その著しいものであろう。外交政治の谷間は文化の谷間でもある。
しかしこのような事は何も今始まつたことではない。今日ほどのことになつても,歴史始まつて以来,社会に夫々の規模と時代に於て,その環境との間に谷間をもち,時代的な変革との間にズレがあつたのである。そして夫々の社会の人々は,その慣習や制度をこれ等に適応させ克服消化してきたものである。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.