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放射線科醫の見たアメリカの病院(下)
山下 久雄
1
1東二放射線科
pp.28-32
発行日 1952年1月1日
Published Date 1952/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200429
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Mineapolis (ミネアポリス)
St. Paulと共にTwin Cityと呼ばれ,中部北方の一大中心地です。其所にはミネソタ大學があります。約100年の歴史を有し,可成り立派です。昨年日本で講義をされたRigler教授が,放射線科の主任教授をして居られますので,先ず同教授を訪ね,色々御世話になりました。附屬病院の病床數は600ですが,その外に心臓病の病院が新築され,開院間近でした。大きな癌のクリニク病院もあります。Rigler教授は,診斷學を擔當し,Ste-nstrom教授が,治療とアイソトープ研究の主任をしています。深部治療のレントゲン裝置3臺の外に500mgのラドン採集裝置があり,ラドン療法も盛んにやつています。ストロンチウム等を用いてアイソトープ療法も行われています。アイソトープでの研究では,I131の化合物Dijod-fluore-sceinに依る腦腫瘍の診斷にシンシレーシヨン管を用い一度に十數ヵ所を同時測定する裝置をもつているのが目立つています。Rigler教授は診斷學の方面で有數の大家で,立派なレントゲンLibraryがあり,數萬枚のレントゲンフイルムが病別にきちんと整理ざれていて,誰でもが自由に見られる樣になつており,又教育用のスライドも相當の數を所有していて,私の見たうちで最も模範的なものでした。大學病院としては是非所有したいものの1つです。その一方フイルムの持出しは嚴禁され,必ず讀影室に來て見ます。
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