連載 世界病院史探訪・4
教会に隣接したスペイン・ポルトガルのHospital
石田 純郎
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1医療法人慈生会 介護老人保健施設くつろぎ苑
pp.511-512
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102558
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日本最初の西洋式のHospitalは大分にあった府内病院である.ポルトガル人商人でイエズス会の宣教師,そして外科医でもあったアルメイダ(Luis de Almeida,1525~1583)が,1557年に豊後府中(現・大分市)に領主・大友義鎮(宗麟)の庇護を受けて設立した病院である.1555年にまず育児院が,1557年にHospitalが,教会(デウス堂)に隣接して建てられた.この施設は1586年に島津軍が大友氏を破って,府内を占領した際に焼失した.その後のキリスト教弾圧により日本には史料が残されていない.
当時,長崎にもHospitalは建てられていたようで,「HOSPITAL」の銘のある洋鐘が残されている。長崎にあったサンチャゴ病院の銅鐘で,現在は大分県竹田市立歴史資料館に国指定重要文化財として保存されている(サンチャゴの鐘、所有者は中川神社).
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