連載 診療情報管理の最前線・2
変貌する診療情報管理と組織
阿南 誠
1,2,3
1日本診療情報管理士会
2日本診療情報管理学会
3国立病院機構九州医療センター 医療情報管理センター
pp.1003-1006
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102419
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■社会のニーズに対応する
前回述べたように,現在,診療情報管理にかかるデータの利活用が大きな課題になっている.患者個人への診療情報の提供がより求められるようになり,地域の病院とのデータの相互利用・共有等に対応する必要もある.さらにDPC(Diagnosis Procedure Combination)やがん登録のような国家的データ収集・分析事業というように,データを利活用する範囲も,院内での活用をまず前提としたうえで,個々(患者個人)から集団へ,さらに国全体へという流れがある.
こうしたデータの共有や利活用においては,何よりデータの収集・提供に即時性と精度が求められる.DPCやがん登録も,データそのものの活用目的は多少異なるにしても,目的のための妥当性の検証や比較等の活用方法については概ね共通しており,即時性の観点からデジタルベースでのデータ収集が前提である.したがって,データの収集や提供,分析等を担う実務者として,診療情報管理士には,迅速性の確保,精度の担保,広範なスキルの習得が求められる.また,そのような業務を担うには体制や環境の構築も欠かせない.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.