Japanese
English
今月の主題 早期胃癌は変貌したか
序説
早期胃癌は変貌したか
On Transfiguration of Early Gastric Cancer
崎田 隆夫
1
T. Sakita
1
1筑波大学臨床医学系(内科)
pp.11
発行日 1981年1月25日
Published Date 1981/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107893
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- Abstract 文献概要
1962年4月,私の恩師田坂東大教授の退官記念として行われた会長(田坂教授)講演“早期胃癌の全国集計”が村上委員長のもと多くの方々の協力のもとに成功し,その分類が確立されてから,はや18年以上の歳月が流れた.この村上委員会はclosedの早期胃癌研究会よりopenのそれに変わり,この研究会の機関誌的雑誌「胃と腸」が生まれて既に15年をけみしている.この当初のころの,“早期胃癌は生物学的に特殊の胃癌である”という意見が少なくなかったとか,二重輪郭(Ⅱc+Ⅲ)を発見して驚喜したとか,良性の二重輪郭はあるんですか?という質問が日常出されていたとかいうことごとを思い出すと,最近の早期胃癌は大変貌を遂げたと言える.
しかし本稿の趣旨は,最近の早期胃癌の変貌であると考えられる.筆者は1974年日本消化器内視鏡学会総会会長講演として,“早期胃癌の現状”と題する全国集計をやらせていただいた.したがって,最近の変貌を論じるためにはここらでどなたかに,再び同じテーマで全国集計をやっていただき,その両者を比較すべきであろう.そのことは,近い将来実現することを強く期待し,ここでは,今春,春日井会長のもとに行われた日本消化器内視鏡学会におけるシンポジウム“早期胃癌の再検討―実態と対策”を中沢博士と共に司会させていただいたときの印象の一部を述べさせていただくことにする.
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