連載 診療情報管理の最前線・1【新連載】
診療情報管理士の今
阿南 誠
1,2,3
1日本診療情報管理士会
2日本診療情報管理学会
3国立病院機構九州医療センター 医療情報管理センター
pp.924-926
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102401
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■増加する診療情報管理士
診療情報管理士の2011年度の認定者数は1893人,現在までの認定者累計は2万5469人となっている.一般社団法人日本病院会(以下,日本病院会)が1974年10月に通信教育を修了した82人を「診療録管理士」(後に診療情報管理士に移行)に認定して以来,40年弱の歴史があることを考えると少数にも思えるが,図に示す通り,志望者は2000年頃をターニングポイントとして急増している.すなわち,認定者の多くはこの10年の間に認定を受けているのである.
この激増の理由は,まず1999~2000年にかけて,患者へのカルテ開示や診療情報提供の議論が沸騰したことが挙げられる.これは後の「個人情報の保護に関する法律」施行後の対応のためにも重要なイベントであった.また,2004年にDPC(Diagnosis Procedure Combination)が導入され,従来は診療情報管理には縁遠いとされていた診療報酬制度において,診療情報管理の能力が問われることとなり,診療情報管理に力を入れざるを得なくなった病院の事情が反映されている.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.