連載 鉄郎おじさんの町から病院や医療を見つめたら…・55
“非がん”難民!―多死化時代への備え
鉄郎
1
1NPO法人アットホームホスピス
pp.322-323
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102252
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非がん難民
右図をご覧いただきたい.全死亡数のうち約3割ががん(悪性新生物)だが,残りの7割から事故死,自死,老衰などを除いた非がんによる死亡数は,がんによる死亡数を上回る.ところが,日本の緩和ケア病棟が対象としているのはがんとエイズ.一昔前は3人に1人ががんを羅患すると言われたが,最近では2人に1人が羅患し,3人に1人ががんで亡くなる.
本来,緩和ケア・ホスピスケアというのはすべての患者に対して開かれているものであるはず.それにもかかわらず,日本では非がん患者は未だケアの対象とされていない.しかし,ホスピス運動の創始者であるシシリー・ソンダースは神経難病の専門医であり,彼女が開設したセント・クリストファー・ホスピスは,当初から神経難病患者のケアを行っていた.
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