連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第201回
地域を支える診療所二題―きらめき広場・哲西 哲西町診療所/哲西町歯科診療所
堀田 荏惟一
1
1小野設計
pp.802-805
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102120
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
広島県・島根県・鳥取県と岡山県の4県境が集まる岡山県の北西端部,新見市旧哲西町.地域人口約3000人(新見市人口約3万3000人),高齢化率約37%.町の過半が高原と山林で占められ,町の中東部には「西の尾瀬」と呼ばれ,国の天然記念物に指定されている「鯉ヶ窪湿原(鯉ヶ窪湿生植物群落)」があり,時期折々に貴重な動植物を楽しむことができる緑豊かな山間の地に,哲西町診療所・哲西町歯科診療所は2001年11月に開設された.
哲西町診療所・哲西町歯科診療所は,複合施設「きらめき広場・哲西」の一角にある.この「きらめき広場・哲西」は,旧哲西町役場(現新見市哲西支局),診療所,生涯学習センター,文化ホール,図書館,保健福祉センターをひとつ屋根の下に配置した複合施設である.
この施設は当時,過疎と合併,歴史あるコミュニティーをどのように存続させていくかという,現在でも地方集落がかかえる問題を,哲西町全町民で議論しあったうえにできあがった.
本施設については,建設の構想・設計の過程における町の熱い想い抜きに本質を語ることができないので,以下にその経緯を紹介したい.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.