特集 社会保障・税制改革と医療
巻頭言
広井 良典
1
1千葉大学法経学部総合政策
pp.875
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102056
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本号の特集テーマは「社会保障・税制改革と医療」である.社会保障制度のゆくえが病院経営や医療のあり方にとって大きな意味をもつことは言を俟たないことであり,本誌では,折にふれてこうした社会保障制度や改革に関する特集を行ってきたが,今回この時期に再びこうしたテーマでの特集を組むことには,次のような意味でタイミングとして特別の意味をもつものといえる.
それは,5年半に及んだ小泉政権が終わり,安倍内閣へとバトンタッチされたという大きな時代の流れである.あらためて確認するまでもなく,小泉政権のキーワードは「小さな政府」であり,医療制度についても,患者負担の引き上げ,混合診療の拡大など,基本的に公的医療の守備範囲を削減する方向での改革が進められた.他方で,在任中は消費税の引き上げを行わないとのスタンスを維持し,こうした中で政府の財政赤字も累積していった.
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