特集 病気と社会を考える
【事例】
無縁社会への処方箋―孤独死防止への先駆的取り組み
山中 修
1,2
1NPO法人「さなぎ達」
2ポーラのクリニック
キーワード:
孤独死
,
看取り
,
社会的弱者
,
死の質
,
無縁社会
Keyword:
孤独死
,
看取り
,
社会的弱者
,
死の質
,
無縁社会
pp.50-53
発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101866
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“医療崩壊”と声高に叫ばれて久しいが,崩壊しているのは,医療だけではないようだ.自殺が増えている.年金を目的に,親を白骨粉砕化している.男性と遊ぶために母親業を放棄している.“日本崩壊”と言わざるをえない.高齢社会・無縁社会・貧困格差の問題は,もはや国の質が問われる社会課題となっている.100歳以上の高齢者の生存安否さえ不明のまま,年金の授受が行われている.これから数年のうちに団塊世代が高齢者群に大挙に参入する.医療・年金・福祉の問題はさらに膨張・加速化され,国としてパニックにさえなりかねない.
2015年には日本の人口の4人に1人が65歳以上に,2025年には3人に1人が高齢者となる.かつてこの国が遭遇しなかった事態を迎えることになる.どう対応すべきなのだろう? 今,医療者として私たちはどこに立ち,何をすべきなのだろうか? 高齢者や社会的弱者への医療のあり方は? 考えてみなければならない時期にきている.
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