Japanese
English
調査
熱中症による脳障害を来した患者の背景と転帰―ソーシャルワーカーの視点から
Background and outcomes of patients with heat stroke encephalopathy:From the view of a medical social worker.
寺田 祥子
1
,
藤谷 順子
2
,
早乙女 郁子
2
,
木村 昭夫
3
,
萩原 章嘉
3
,
伊中 愛貴
3
Shoko Terada
1
,
Junko Fujitani
2
,
Ikuko Saotome
2
,
Akio Kimura
3
,
Akiyoshi Hagiwara
3
,
Aki Inaka
3
1独立行政法人国立国際医療研究センター病院医療連携室
2独立行政法人国立国際医療研究センター病院リハビリテーション科
3独立行政法人国立国際医療研究センター病院救急科
1Regional Medical Liaison Office, National Center for Global Health and Medicine Center Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, National Center for Global Health and Medicine Center Hospital
3Department of Emergency Medicine and Critical Care, National Center for Global Health and Medicine Center Hospital
キーワード:
熱中症
,
熱中症性脳症
,
社会的弱者
,
高齢者
,
MSW
Keyword:
熱中症
,
熱中症性脳症
,
社会的弱者
,
高齢者
,
MSW
pp.63-66
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110375
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要旨:熱中症による中枢神経症状発症患者について,背景,転帰,支援内容を,メディカルソーシャルワーカー(medical social worker;MSW)の視点から後方視的に調査した.対象は2010年7月から9月に当院に熱中症にて入院した患者18人である.男性12人,女性6人,平均入院期間は13.2日であった.患者背景としては,独居10人,住所不定2人であった.退院時点の中枢神経症状は,グラスゴー・コーマ・スケール(Glasgow Coma Scale;GCS)14以下の意識障害を呈している者が6人,運動機能障害14人,認知・高次脳機能障害3人,嚥下障害7人,膀胱直腸障害7人であった.転帰は自宅が8人,転院が10人で,その内訳はリハビリテーション目的の一般病院6人,回復期リハビリテーション病棟3人,特別養護老人ホーム1人であった.自宅退院患者にも介護保険新規申請・区分変更,成年後見制度の導入支援を行った.独居で生活困窮している高齢者が,熱中症発症のハイリスクであることが示唆された.また,多彩な神経症状を残した状態での転院や在宅への調整には,MSWの早期介入が重要と考えられた.
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