特集 拡大するリハビリテーション医療
わが国のリハビリテーション医学・医療の潮流
里宇 明元
1
1慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
キーワード:
予防
,
機能回復
,
人材育成
,
社会保障制度
,
リハビリテーション医学研究
Keyword:
予防
,
機能回復
,
人材育成
,
社会保障制度
,
リハビリテーション医学研究
pp.846-850
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101813
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筆者が医学部を卒業した1979年当時は,まだリハビリテーション医学が一般社会はもちろんのこと,医学・医療の世界においてもほとんど認知されていない時代であった.リハビリテーション医学講座がある大学も3校しかなく,筆者の在籍した大学にも当然,存在しなかった.そのような不確かな状況ではあったが,横断的診療,全人的医療,チーム医療などの考え方に従来の医療にはない新しい息吹を感じ,何よりも様々なチャレンジの余地が残されている未開拓の分野であることに強く惹かれ,心踊らせながらリハビリテーション医学の道に飛び込んだものであった.
その後,紆余曲折がありながらも,先人たちの努力により,リハビリテーション医学・医療は着実に発展を遂げ,今日では医学・医療の重要な分野の1つとして認められつつあることを実感している.脳卒中医療を例にとってこの30余年間の変化を振り返ると,この間に非常に大きな変化がもたらされたことを改めて感じる(表1).以下,筆者なりにわが国のリハビリテーション医学・医療を振り返り,将来を展望してみたい.
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