特集 高齢透析患者の療養生活支援―事例を通して見えてくるもの
1.総論(2)高齢透析患者の社会制度の現状と課題
中元 秀友
1
,
西山 強
2
1埼玉医科大学総合診療内科
2所沢腎クリニック・メディカルコーディネーター
キーワード:
高齢化社会
,
社会保障制度
,
医療経済
,
透析医療
Keyword:
高齢化社会
,
社会保障制度
,
医療経済
,
透析医療
pp.1397-1408
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001504
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日本は世界でもっとも急速に高齢化が進行している医療先進国であり,わが国の未来は世界の医療の未来を示す.透析医療に関して,日本は世界でもっとも優秀な成績である.この優れた成績は,本邦の透析医療レベルが高いことに加え,優れた保険制度によりすべての透析患者が平等に透析医療を享受できることによるものである.そのほかにも日本では透析患者自身が直接申請することで利用できる社会保障制度〔特定疾病療養受領証,身体障害者手帳と障害者医療費助成制度,自立支援医療(更正医療18 歳以上),障害年金(20 歳以上)〕が整備されている.さらに,腹膜透析(PD)患者のみに適応される社会保障制度として訪問看護の保険適応の制限が撤廃されている.このような優れた透析患者の社会保障制度を維持するために,患者会,学会などが行政と協力して未来の透析医療のあり方を検討していく必要がある.
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