連載 ロボット技術と医療・介護・福祉・3
アザラシ型ロボット・パロによるロボット・セラピー
柴田 崇徳
1
1独立行政法人 産業技術総合研究所 知能システム研究部門
pp.282-283
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101420
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ペット動物は,一般家庭で広く普及しているだけでなく,医療福祉施設でのアニマル・セラピーとしても有用である.しかし,アレルギーや噛み付き・引っ掻きによる事故,人畜感染症,衛生,管理などの理由で,動物を飼うことができない場所や人々が多く存在している.
そこで筆者は1993年から,ペット動物のように,ふれあいにより楽しみや安らぎを提供する新しい役割を持つロボットの研究開発を進めている.心理実験などの結果から,人から受け入れられやすいように,あまり身近ではない形態のアザラシ型を採用し,「パロ」と称して改良を重ねた.一見,ぬいぐるみのようであるが,内部には,様々なセンサと,静かに動くアクチュエータで構成され,複数のマイコンや高度な人工知能により,飼い主との触れ合いの中で,名前や行動を学習しながら生き物らしく振る舞う.
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