連載 病院管理フォーラム
■エクセレント・ホスピタルの条件を探る・8
医療専門職と事務部門との協働―バージニア・メイソン医療センターの事例から
川上 智子
1
1関西大学商学部
pp.736-739
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101265
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病院のマネジメント力を高める重要な要素の1つに,医師や看護師などの医療専門職と事務部門との協働をいかにうまく進めるかという問題がある.実は,病院に限らず,どのような組織においても,専門分野の異なる者同士が協調し,かつ馴れ合いにならずに緊張感を保ちながら働くことは難しい.とりわけ,日々のルーチン・ワークに留まらず,革新的な試みを取り入れて組織に定着させようとする際には,専門分野の違いによる組織の分断が組織内に不調和を起こさないように,組織設計や人員配置を周到に行う必要がある.
病院の経営において,医療専門職と事務部門との協働を成功させるには,どのようなマネジメント上の工夫が考えられるのだろうか.今回は,本連載第3回でご紹介したアメリカ(シアトル)のバージニア・メイソン医療センター(VMMC : Virginia Mason Medical Center)のケースをさらに掘り下げつつ,経営組織論の知見に基づき,部門間の協働を促す組織設計のあり方を考えてみたい.
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