連載 病院管理フォーラム
■医事法・16
診療・学会ガイドラインと法的責任
植木 哲
1
1千葉大学法経学部法学科
pp.740-742
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101266
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医療倫理と法的責任の問題に引き続き,今回はガイドラインと法的責任の関係について考えてみます.ガイドラインには,私的団体が個々の診療レベルの標準を医学・医療の観点から記載した診療上のガイドラインと,厚生労働省(以下,厚労省)や学会が当該専門領域に関する医学・医療の標準を示す専門レベルのガイドラインがあります.いずれも科学的根拠に基づいていることが必要ですが,最近では特にEBM(事実に基づく医療)に依拠していることが重要とされます.しかしその作成過程には不明な部分が多く,問題点も少なくないと言われます〔寺本民生:ガイドラインの作成理念とそのプロセス・治療学34(6):5-8,2000〕.このようなガイドラインが裁判でどのように使われるのかを考えてみましょう.
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