特集 どうなる 特定健診・特定保健指導
【特定健診・特定保健指導への対応】
日本医師会の立場から
内田 健夫
1
1日本医師会
pp.609-611
発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101234
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内臓脂肪型肥満の原因となっている生活習慣を改善するための特定健診・特定保健指導が,いよいよ平成20年度から医療保険者に義務づけられ,実施された.しかし,健診単価,患者負担等の問題により,現時点においても,地域医師会と市町村国保との契約がスムーズに進んでいないところがある.したがって,健保等の被扶養者のための集合契約も遅れている.また,データ処理,決済等の電子化の問題,生活機能評価や他の健診(検診)との調整もある.そして,特に重要なのは,質の担保と検証である.また,国民への周知が十分にされていないことも問題である.
今回の制度改正の背景としては,従来実施されてきた健康増進計画や健康日本21等の取り組みで十分な成果が得られなかったことがある.また,高齢化の進展とそれに伴う疾病構造の変化を反映し,生活習慣病対策としての予防を重視した取り組みへの転換,医療費削減に向けての適正化計画,医療保険者へ特定健診・特定保健指導事業を義務化することによる効率化と受診率向上,保険者機能の強化といった複合的なものが考えられる.
糖尿病等の生活習慣病の有病者,予備群を平成27年度には,平成20年度と比較して25%減少させ,中長期的な医療費の伸びの適正化を図ることが国の政策目標として掲げられている.
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