特集 個人の力と医療・社会
投資対象として見た病院資産
齊藤 誠
1
1一橋大学大学院経済学研究科
pp.35-39
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101096
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病院資産を評価する視点
本稿では,投資対象として病院資産を見た場合に,どのような点で他の資産と共通して,どのような点で性格を異にしているのかを考えてみたい.このような視点が必要となるのは,他の金融資産と比べた場合に病院資産の収益性がかならずしも優れているといえないからである.
例えば,経営がうまくいかないままに巨額の銀行借入を抱えた病院を再建させる場合を考えてみよう.病院再生に資金を投じる投資家の立場からすれば,再生果実を享受できる限りでしか関心がない.そもそも劣悪な収益体質で破綻しかけている病院に資金を投下して,どのように収益をあげることができるのであろうか.
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