特集 価格とコストの地域格差
病院収支モデルにおける地域格差―首都圏の病院経営が崩壊寸前
藤原 寿
1
,
高橋 泰
2
1財団法人自警会東京警察病院経営企画課
2国際医療福祉大学医療経営管理学科
pp.740-744
発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101011
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「東京都心部での病院経営は今後成り立たない」.それは,現状の診療報酬では,都市部と地方の地域差が考慮されていないからだ.地価や食料費をはじめとした物価が都市部のほうがはるかに高い.にもかかわらず,診療報酬は全国一律の公定価格である.つまり,物価の高い都心部の医療機関は,同一の医療サービスを提供しても地方の医療機関より利益が少なくなる.その地域格差の一部は,入院において最大で1日につき180円,現状の診療報酬で評価されているだけである.
一方,介護報酬では,介護・看護職員の人件費の地域差を反映する「係数」を設定し,報酬単価全体に乗じる報酬設定になっている.したがって,介護保険においては,サービスを提供する地域によって同じ内容のサービスであっても基本の報酬額全体が異なることになる.
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