特集 技術革新と競争激化―特定保険医療材料の今後
公的医療保険制度と医療機器・材料企業
田村 誠
1
1ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社
pp.644-646
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100990
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先進的な医療機器や医療材料が,現代医療において欠くことのできない,大きな役割を果たしていることは明らかであろう.例えば,MRIやCTなどの診断装置や,内視鏡,カテーテル,ペースメーカーなどの医療材料がまったくないところで,良質の急性期医療を行うことは容易ではない.
そうした医療技術としての価値が広く認められている一方で,医療機器・材料を提供している企業が株式会社組織で利益を上げ,その利益を資本市場に還元することは,わが国の公的医療保険制度下では必ずしも肯定的にとらえられていないようにみられる.どんなに革新的な医療機器・材料であっても,原価に「若干の」利益を加えた程度が望ましいというのが,公的医療保険関係者の共通理解,あるいは本音ではなかろうか.
本稿では,企業あるいは資本市場がわが国の医療制度に対して果たしうる役割について考察を加え,それらをもう少し積極的,前向きにとらえ,活用する方向について模索したい.
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