連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第149回
中小規模自治体立病院二題 南部町国民健康保険西伯病院・村立東海病院
室殿 一哉
1
,
白石 真也
1
,
鈴木 光一
2
1株式会社佐藤総合計画東京事務所
2株式会社伊藤喜三郎建築研究所
pp.516-523
発行日 2007年6月1日
Published Date 2007/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100962
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南部町国民健康保険西伯病院
本院は,鳥取県南部町の地域医療と県西部の精神医療を担う中核病院である.2003年に施設の老朽化・狭隘化を解消すべく,新病院建設に係る設計者選定の町民公開ヒヤリング型プロポーザルが実施され,「病院の中に街並みを,街並みの中に病院を」を設計の基本理念として,「5つの特徴」のある病院を提案し選定された.その後約2年半を経て昨年3月に移転整備が完了した.
5つの特徴
1.みんなで暮らす家をつくる
新しい西伯病院は,南部町の山並みや歴史ある町並みに調和した切妻屋根の重なりや,病棟階の暖かみのある壁色,木調の手摺,雪にも配慮した車寄せ・屋根など,地域の風景にとけ込んだ「みんなで暮らす家」を感じさせるデザインとした.低層化と街並みとの調和はプロポーザルの条件であり,5階建てとなる病棟はセットバックさせることにより威圧感を低減させ調和をはかった.
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