連載 病院ファイナンスの現状・3
融資審査のファーストステップ「企業格付」
福永 肇
1
Hajime Hukunaga
1
1国際医療福祉大学医療福祉学部医療経営管理学科
pp.936-938
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100923
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現在,日本の銀行における融資審査方法は大きく変化しつつあります.従来,銀行との関係は「銀行取引」という言葉があるように,独特の取引慣行が存在する世界でした.病院や企業の財務担当者は銀行内の意思決定システムとその時々の銀行経営方針を銀行員との会話の中から探り,またその時点での支店の担当銀行員のインセンティブを察しながら,相対取引で双方の利害関係を絶妙な呼吸で均衡させていました.銀行との取引は折衝技と感度(経営センス)の世界ともいえました.
しかし最近は銀行の応対が変わってきていることにはお気づきになっていると思います.連載の初回(9月号)で紹介したように,現在の銀行では審査内容の統一化・均一化が図られるようになってきています.
今月号では最初に銀行が付与する「企業格付」の概略を理解し,次に企業格付に対して銀行が重視する財務指標について紹介してみます.来月号では「企業格付」のランクアップ対策について考えてみましょう.
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