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米国の状況からみた統合医療の必要性
米国成人の相補(補完)・代替医療Complementary & Alternative Medicine(CAM)の利用率が33.8%という1990年の報告を受け,1992年,National Institute of Healthに代替医療研究室Office of Alternative Medicine(OAM)が設置された.さらにOAMはOCAM(“相補医療”を追加)を経て,1998年にNational Center for Complementary and Alternative Medicine(NCCAM)に昇格.2000年には1億ドル以上の予算を計上して様々なCAMに関する研究や調査が行われている.この調査で,CAMの利用率は1997年には42.1%に上昇しており,またCAMの占める医療費は西洋医学の医療費の自己負担分に匹敵するか上まわっていることが判明した.さらにCAMの利用者は教育レベルの高い人や高収入でアメリカを支えている中心層の人たちに多いこともわかっている1,2).2014年12月17日,NCCAMは国立相補・統合保健センターNational Center for Complementary and Integrative Health(NCCIH)(https://nccih.nih.gov/)に名称変更された.
米国も公式に統合医療を認め,その定義も掲げた.こうした背景の中,米国のEducational Commission for Foreign Medical Graduatesは2010年,Liaison Committee on Medical Education(LCME)の基準やWorld Federation for Medical Education(WFME)のグローバルスタンダードに準拠した分野別認証を受けた国外医科大学(医学部)の卒業生でなければ2023年以降は米国での医師国家試験受験資格を与えない方針を示した.
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