特集 国民は医療をどう見ているか
医療に関する国民意識調査から
江口 成美
1
Narumi Eguti
1
1日本医師会総合政策研究機構
pp.41-45
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100746
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高齢化と疾病の変化,さらに高度情報化社会における情報量の増加を背景に,人々の医療に対する関心が高まっている.こうした中,医療に対するニーズが多様化し,患者志向の医療に関する議論が活発化している.
そもそも患者中心の医療が今議論される理由の一つは,医療提供者,医療消費者,行政など医療関係者の立場によって,目指す医療や,良い医療の定義が異なっていることにある.例えば医師など医療提供者の立場では,良い医療とは医療技術水準や患者の治癒率,予後のアウトカムが重視される.ところが,医療消費者である患者や一般国民からみると,安心感や医療従事者との人間関係から得る充足感も医療の重要な要素である.従来,医療の世界では,消費者である患者から見た良い医療という視点が過少評価されてきたように思える.
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