特集 特定療養費制度の拡大と病院の対応
特定療養費制度の拡大と病院の対応
病院のあり方と経営改善に向けて
中西 昌美
1
1市立札幌病院
pp.565-567
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100643
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
当院は,北の原野に開拓の斧が響き始めたばかりの明治2年,北海道開拓使により設立され,その後,県立,府立,区立などの変遷を経て,大正11年の市制施行に伴い市立札幌病院となった.創立以来130年余にわたり,北海道における医療の進歩とともに歩み,札幌市民はもとより広く北海道民の医療の担い手として,今日に至っている.
人口180万人を超える道都,札幌市には,当院の他,高度医療研究機関や医師養成機関である二つの大学附属病院をはじめ,多くの高度専門医療機関が立地し,高度・先進的な医療を提供しているが,札幌圏では基準病床数が29,084床ながら,6,220床の過剰病床となっているなど,全国有数の医療稠密地域でもある.
当院は,研究機関レベルの最先端医療を市民や道民に提供することにより確固たる地位を築いてきたが,これも歴代の院長をはじめとする職員が様々な困難に直面しつつも,一丸となって地域医療に取り組んできた賜物である.行政的医療についても,第3次救急は言うに及ばず,未熟児医療や周産期医療の充実に努め,今後はこれらを含め少子化対策医療として展開し,子どもたちを健やかに育むことに医療面から力を尽くさなければならないものと考えている.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.