新連載 日本版クリニカル・ガバナンスの確立に向けて・1
ブレアのNHS改革と日本版クリニカル・ガバナンス
武藤 正樹
1
1国立長野病院
pp.486-489
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100627
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はじめに
イラク戦争への加担によって与党労働党内部からも離反を生み,また国民支持率を急落させた英国労働党のブレア首相ではあるが,こと国営医療(NHS:ナショナルヘルスサービス)改革においては,1997年政権について以来,意気軒昂だ.2001年6月に首相に再選される総選挙前のテレビ演説で「医療制度改革をなしとげなければ,首相の座を保守党に明け渡す」とまで公約し,その後,数々のNHS改革メニューと改革数値目標を生み出している.
本稿では,こうしたブレアのNHS改革の概要と,その中心的概念である「クリニカル・ガバナンス」,すなわち「臨床統治」―臨床の場で医療の質と安全を規律し,統治する―という概念を紹介するとともに,その概念の日本への応用について考えてみたいと思う.
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