連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第101回
静岡県立静岡がんセンター
高橋 敏行
1
1株式会社横河建築設計事務所建築設計部
pp.249-255
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100583
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計画の概要
2002(平成14)年9月に開院した静岡県立静岡がんセンターは,「最新で適切ながん診療の実践」,「患者の視点を尊重したがん診療の推進」,「がん情報ネットワークなど,がん対策の中枢機能の構築」という基本理念に基づき,県のがん征圧拠点としてわが国最高レベルの高度先進医療を提供すべく設立された病院である.
日本でまだ数例というがん治療の高度先進技術の一つである陽子線治療施設棟や,終末期医療のための緩和ケア病棟などを併設し,21世紀のがん医療に対して万全の体制で臨むための整備がなされている.
組織を含めて全く白紙からの病院立ち上げであったため,全国各地の医療関係者を中心としたアドバイザーから広く意見をうかがい,試行錯誤を繰り返しながら運用計画と一体となって設計が進められた.
また,医療に取り組む姿勢として「がんを上手に治す」,「患者さんと家族を徹底支援する」,「成長,進化を継続する」ことが掲げられ,これらの理念を建築のハード面からも具現化する施設計画が求められた.
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