特集 検証 平成18年診療報酬改定
診療報酬体系改革と中医協
石井 暎禧
1,2
1医療法人財団石心会
2中央社会保険医療協議会
pp.962-964
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100420
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少子高齢化の進行の中で,医療保険制度をどのように安定的に持続させるか,これが厚生労働省(厚労省)に課せられた課題であり,史上最大のマイナス改定は,その意図を鮮明に伝えた.しかし過剰に抑制すれば,国民医療そのものが崩壊する.
現政権の政策の根幹は財政再建であり,国民の抵抗がない限り,際限のない社会保障費抑制が続く.国民もまた,医療の危機は医療機関の責任であり,診療報酬とは関係ないと考えており,医療費抑制に賛成している.現実には医療費の抑制にすぎない政策を効率化と表現するのは,医療崩壊を防ぎつつ医療費削減を成し遂げたいという厚労省の願望の現れであるが,どこに均衡点を置くべきか,今回の診療報酬改定では明らかではない.
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