連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第140回
療養病床二題
医療法人豊慈会 釧路北病院
川﨑 久則
1
,
森本 真二
1
1株式会社明日香設計
pp.769-772
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100383
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■立地および建設経緯
釧路北病院の位置するシルバータウン「夕秀の里」(夕秀とは夕方に咲いた花の意)は遥かに阿寒の山々を望み,釧路湿原へと連なる釧路市昭和の約9ヘクタールの土地に,保健・医療・福祉施設が集積する施設群で,老人の医療,介護,健康維持に関するサービスを総合的に提供している.
釧路北病院は「夕秀の里」の基幹施設として平成16年4月に新築移転された.244床すべて療養病床である.旧北病院は平成元年,新しい老人医療の実践を目指して市内愛国地区に開設され,平成5年には全国最大規模の療養型病床群を設置しているが,6床室主体の移行型施設であり,医療制度の変革や特別養護老人ホーム等の介護施設で個室化・ユニットケアが導入される中,その療養環境の見直しと再整備が急務であった.
また平成8年に老人保健施設の開設と共にスタートした「夕秀の里」の整備計画は病院の移転新築計画が本格化した平成14年当時,道東地区初の全室個室・ユニットケアの新型特養(百花苑,平成16年3月開設)の設計が進行していた.そんな中,夕秀の里の中心施設としての新病院はいかにあるべきか検討が重ねられた.
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