連載 リレーエッセイ 医療の現場から
折り紙と建築設計
岩田 江美
pp.773
発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100384
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足が悪かったこととの関係はわかりませんが,私は,3 歳頃から折り紙を手にして,ハサミで好きな形に切っては,お絵かき帳に貼り付けて遊んでいました.あまりに熱中して,折り紙とパジャマを一緒に切ってしまい,母に 「これでパジャマを 3 枚もよ!」 とあきれられていたそうです.
いつしか,折り紙は折って,その色と形を楽しむようになりました.12 歳の時に腰の手術で入院をして,ベッドの上だけの退屈な時間に,カエルを折っては壁に貼り付けていました.「早く元気になってお家にカエル!!」.希望でした.そのカエルたちが私の世界を広める大きな一歩になりました.作品を見た主治医が,大きなボードに作品を貼って,風物詩を作ることを勧めてくれました.夢中で取り組んだ月々の風景 12 枚が病院の廊下に飾られた時は,「やったぁ!」と達成感でいっぱいでした.
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