連載 リレーエッセイ 医療の現場から
伝えるテクニック
朝倉 弘恵
pp.271
発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100306
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病院で自分の症状を伝えるのは,とても難しい.どんなに言葉を尽くしても,伝わらないものは伝わらない.そのうえ,せっぱつまった状態では,思いが先走りすぎて,何を言いたいのかよくわからなくなってしまう.
私は,2歳の時に日本では患者数の少ない難病であることがわかって以来,30年以上にわたり定期的な通院を続けている.骨異形成症を伴う疾患のため,軽度の衝撃でも常に骨折しやすい.19歳の時に交通事故で大腿部骨頭骨折をしてから,今まで10回近く手足の骨折を繰り返してきた.抜き足差し足忍び足で暮らす毎日である.
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