特集 個人情報保護法と病院
介護サービスにおける個人情報保護の課題
高橋 紘士
1
1立教大学コミュニティ福祉学部
pp.287-289
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100271
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介護保険は2000年4月に導入され,五年を経過した.この間,保険あってサービスなしという批判にもかかわらず急速にサービス量が拡大し,サービス利用者が居宅サービス利用者は97万人から228万人,施設サービス利用者は52万人から75万人,総計で150万人から300万人と倍増し,給付費も介護保険導入時の3.6兆円から2005年には6.8兆円を越えると予想されている.
■介護保険事業所の拡大と多様性
このような介護保険の規模の増大につれて介護サービス市場に参入する事業者は急激に増大し,介護保険の導入時に9万事業所程度であったものが,12万事業所に迫る勢いで拡大している.従来からの介護サービスの事業者である社会福祉法人,医療法人に加えて,とりわけ NPO 法人が2倍,営利法人が5割増と急激に拡大している.介護保険の事業者は医療サービスと異なり,株式会社,有限会社等の営利組織,NPO 法人,農協生協等の協同組合などの居宅サービス事業やグループホームや有料老人ホームなどの特定施設のサービスを中心に新規参入した事業所と施設サービスを提供する社会福祉法人,医療法人等の旧来からサービス提供を実施している事業所が混在しているという特徴がある.また,事業所の規模も訪問看護事業所等を中心に数人の従業員を抱える零細な規模から,一部上場企業に至るまで,施設についても小規模な単独施設を運営する法人から大規模法人まで極めて多様な事業所が存在している.
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