連載 狙われる病院 暴力・不当要求への対応・1
暴力団等の最近の傾向
樫山 憲法
1
1徳島県警察本部刑事部捜査第二課暴力団対策室
pp.61-63
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100227
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反社会的勢力とは,暴力団,暴力団員,表立っては暴力団と無関係を装って経済活動を行っている暴力団関連企業およびその構成員,右翼団体に仮装した政治活動標榜ゴロ,同和団体を口実にあるいは同和団体を名乗って不当な利益を求めようとするえせ同和行為者等を指す.
彼らは自己の利益獲得のために手段を選ばない集団であり,平成4年に施行された「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」(以下,「暴対法」という)による規制の強化や,バブル崩壊後の経済不況から,最近では新たな資金源として,医療関係者もターゲットとするようになった.その背景には,医療が保険制度になった時点から,医師と患者の人間関係が希薄になり,医師への感謝心が薄れたことなどがあるが,彼らは数々の暴力や脅迫または嫌がらせ行為を用いて,生活水準の高い医療関係者から,恒常的に金品を奪取しようとしたり,また,義務なきことを行わせて不当な利益を得ようとするなど,医療関係者の生命,身体,財産,自由を脅かそうとする動きを強めている.
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