連載 ショートコラム
病院の管理予算制度―ドンブリ勘定からの脱却
福永 肇
1
1国際医療福祉大学医療福祉学部
pp.252
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100192
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銀行員が病院経営者や事務長と話をしていて一番驚くのが,多くの病院で「管理予算制度」が未導入であることかもしれない.「病院長,今期の医療収益の着地見通しはいくらですか.また,税前利益はどのくらいになりますか」「7月末現在で,医業収益と医業利益の達成率はいくらですか」の質問に答えられる病院経営者が意外と少ない.病院経営の中長期計画とも言える事業計画書や資金計画書は,理事長と若干の関係者以外は,その数字どころか存在も知らない.この状況で,どのようにして長期借入資金を返済していくのか.
管理予算体制では,経営計画から年初に各部門ごとの年度目標と月次目標が設定される.毎月の経営会議では進捗状況報告がなされる.月次目標が未達成の場合には,今後の月次目標をいくら上方修正し,どのような対策を打っていくのか,着地はどのようになるのか,などがマネジメントされる.
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