連載 病院改革 患者さんの期待を超越せよ!・3
CQI:Continuous Quality Improvement インターマウンテイン・ヘルス・ケアの事例から学ぶ(1)
浦島 充佳
1,2
1東京慈恵会医科大学臨床研究開発室
2東京慈恵会医科大学小児科学講座
pp.494-497
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541100028
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ニューヨークタイムズ2003年7月2日
アメリカ国民は「アメリカの医療は世界最高のものである」と今まで信じてきました.しかし実際は,そうではなかったのです.
New England Journal of Medicine に「実行すると患者さんの病気をよくすることができる科学的証拠のある治療(あるいは予防)がおよそ半数にしか実行されていなかった」とするショッキングな論文が掲載されました1).
例えば,心臓発作後の人がβブロッカーを服用すると,死亡率を23%も減らすことができます.しかし心臓発作を起こした人の45%しかβブロッカーを処方されていませんでした.別の例では糖尿病患者さんの4人に1人しか血糖検査を定期的に受けていません.本来,定期的に血糖をモニターすることにより失明や足の切断,腎不全を防ぐ事ができるはずなのです.肺炎球菌に対するワクチンに関しても多くの適応のある老人が受けていません.きちんと実行していれば,毎年1万人の死亡を防ぐことができるのです.
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