あんてな
医師国家試験出題基準(ガイドライン)の改定案
江藤 文夫
1
1東京大学
pp.824
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104165
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我が国の医師国家試験は1946年に始まり,試験内容についてはたびたび,改善の努力が払われてきた.特に,1982年に国家試験改善委員会が発足して以来,活発な議論が交され,その報告書に基づいて,1985年の試験より内容が大きく変化した.一つは,それまで年2回実施されてきた試験を1回にしたことであり,もう一つは試験の内容から難問奇問を減らし,臨床実地に役だつ,プライマリ・ケア的なものを増したことである.試験内容に関しては,出題基準が非常にばらばらであったものが,かなり整理され,さらに出題委員が国家試験の作成に慣れ,また出題基準を充分に理解するためのワークショップが行われるようになり,かなり均質化されてきた.一方,医学教育の改善に関する議論も,単に卒前教育にとどまらず,卒後教育,各専門分科の専門医養生システム,生涯教育に拡大している.その中で,21世紀の医療の質を高めるために,その中核を担う医師すべてに必要とされる最少限の非常に基本的で重要な技能と知識を評価する医師国家試験に改めて注目されてきたわけである.すでに一般新聞紙上でも報道され,ご存じの方も多いことと思われるが,昨年10月発足した医師国家試験出題基準検討委員会(委員長=高久史磨東大教授)の報告書に基づいて,1989年の試験より出題基準が大幅に変化する見通しである.
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