クリニカル・ヒント
「課題への取り組み」が悪い患者について
松崎 隆子
1
1鹿教湯総合リハビリテーション研究所附属病院
pp.739
発行日 1988年11月15日
Published Date 1988/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104136
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作業療法の臨床場面で,「訓練にのらない」,「やる気が無い」と言われる患者を私たちはしばしば担当します.私たちが治療上扱いにくく苦手と感じるのは,このような治療にのりにくい(課題への取り組みが悪い)患者だと思います.当院は脳血管障害による片麻痺患者が大多数を占め,課題への取り組みが悪い患者も数多く体験します.このような患者(例えば,指示された範囲しか課題を行わない,指示されたことが継続できない,など)に対し,形のうえで治療が継続されていても,私達は心の内で治療を放棄してしまうことが有りがちではないでしょうか?(もちろん,それまでに治療上の葛藤はあると思います.)ここでは脳血管障害による片麻痺患者で課題への取り組みが悪い患者について,その原因,麻痺側からみた違い,接しかたについて述べます.
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