プログレス
画像診断の進歩・2 MRI
吉川 宏起
1
1東京大学
pp.391
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518104045
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画像診断を大きく二つに分類すると,一つは存在診断を中心としたものと,もう一つは機能診断を中心としたものとに分けることができる.前者の代表的なものとして単純X線撮影やX線CTなどがあり,後者ではラジオアイソトープ(RI)検査が挙げられる.本稿での主題であるMRI(magnetic resonance imaging;磁気共鳴映像法)は本質的に上記の両者の性質を備えているのであるが,現時点におけるMRIは対象を主にプロトン(1H)として検査が行われているため,前者の存在診断の範疇に入れられると考えられる.今後1H以外の核種(31P,23Na,13C,19Fなど)の臨床応用が可能となったり,1Hでも後で述べる血流や脳脊髄液の動態に関する情報や水プロトンと脂質プロトン以外の乳酸やクレアチンなどの情報が得られるようになればMRIが後者の機能診断にも包含されていくであろう.紙面の関係上,MRIの原理や特徴,問題点,臨床応用などについては成書を参考にしていただくとして,ここでは対象とする核種を1Hに絞ってMRIの最近の技術的進歩について簡略に説明する.
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