今月の主題 MRI
巻頭言
MRIの進歩
荒木 力
1
Tsutomu ARAKI
1
1東京大学医学部附属病院放射線部
pp.5-7
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901824
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MRI(magnetic resonance imaging)は核磁気共鳴現象(NMR;nuclearmagnetic resonance)を利用した画像診断法である.NMRは1946年に,Bloch1)およびPurcellら2)が各々独立に発表した現象で,その業績により1952年にノーベル物理学賞を受けている.
NMRはその後一貫して物理化学の分野における主要な研究手段として発展してきた.これが医学の分野の注目を集めるきっかけとなったのは,癌組織の緩和時間が正常組織に比べ有意に延長しているとするDamadianの論文3)と,実際に管に詰めた水をNMR現象を利用して画像化したLauterburの論文4)である.その後,1977年から78年にかけてNMRを利用した画像法が次々に発表され5~7),1980年のSNM (米国核医学会)やRSNA(北米放射線学会)において製品として機器展示され多くの医学関係者の注目を集めた。
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